花嫁さまの理想を陰で叶える。笑顔を支えるお直しスタッフの想い

「このドレスを着て笑顔になるお客様を見たい」。

そんな想いを胸に、日々の業務と向き合うのは、Momonaのレンタルドレスのお直しを担当する黒田。

彼女がブライダルの世界に惹かれたのは、大学時代に制作した一着のウェディングドレスがきっかけでした。「綺麗なものを追求できる」その喜びに魅了され、やがて縫うことを通して花嫁さまの夢を支えることがやりがいになっていったと話します。

入社当初は接客が中心だった彼女が、いまではドレスを陰から支える職人として活躍しています。お客様の希望とドレスの構造、その狭間で奮闘しながらも、仕上がったドレスを前に喜んでくださるお客様の姿を励みに日々手を動かしています。

今回は、レンタルドレスのお直し・修理を担当する黒田に、ブライダル業界を志したきっかけから、仕事のやりがい、そしてこれからの目標までを聞きました。

ドレス制作がきっかけ。「綺麗なものを追求できる」喜びに惹かれて

─ ブライダル業界に興味を持ったきっかけを教えてください。

大学時代に卒業制作でウェディングドレスを作ったことがきっかけです。

当時はリアルクローズ（普段着）をデザインするのがあまり得意ではなかったのですが、ウェディングドレスには綺麗さを追求できる自由さがあり、自分に合っていると感じました。そこから自然とブライダルの世界に惹かれていきました。

就職活動のときは、ブライダル以外の業界も見ていましたが、最終的に決め手となったのは「何かを作る仕事がしたい」という思いでした。

Momonaを手がけるモリノブライズは、長く多くの花嫁さまに愛されてきた老舗企業です。昔から「衣装といえばモリノ」という印象があり、家族の言葉も励みになって「ここで挑戦したい」という気持ちが自然と固まりました。

入社後は、まずドレスパートナーとして3年間接客を経験し、その後、現在のお直し部門に異動しました。

お直しは「支度部門」に属しているため、ドレスの準備を担当するスタッフとも連携しながら進めています。アイロンがけや汚れ落とし、立体感を出すための補修なども行うので、チームで一着を仕上げていく感覚が強いですね。

お直しの現場で感じる難しさとやりがい

─ お直しの仕事の大変さや、やりがいについて教えてください。

やはり「お客様の希望」と「ドレスの構造」、そのバランスを取ることが一番難しいですね。

レンタル衣装なので、元のデザインを壊してはいけないという制約があります。「ここをもっと細くしたい」「リボンの場所を変更したい」といったご要望に、どこまで応えられるかを見極めるのが難しいポイントです。

入社後の3年間は接客を担当していたのですが、当時は苦手意識があったのも事実です。現在は、お客様の不安を直接伺ってお直しを提案することも多いので、当時の接客経験が今に活きていると感じています。

やりがいを感じるのは、お客様が仕上がったドレスを見て、笑顔を見せてくださった瞬間です。その表情を見ると、「この仕事をしていてよかった」と心から思います。

以前、サイズが合わずファスナーが閉まらないドレスを担当したことがありました。似た生地を探して切り替えを入れることで、見た目に違和感のないように仕上げたところ、お客様が「魔法みたい」と言ってくださったんです。

その言葉は、今でも心に残っています。あの瞬間の笑顔こそが、この仕事のいちばんのやりがいですね。

安心して挑戦できる、あたたかな職場環境

─ モリノブライズの魅力はどんなところですか？

一番の魅力は、「フォローしてくれる人がいる」ことだと思います。

私のようにブライダル未経験で入社した社員も多いのですが、研修制度がしっかりしていて、わからないことがあっても周りの先輩方が丁寧に教えてくださります。

失敗して落ち込んだときも、ただ叱るだけでなく、次にどうすればいいかを一緒に考えてくれる。そんなあたたかい雰囲気があります。

もちろん、時には厳しく指導されることもあります。でもその分だけ、自分の成長をきちんと見守ってくれる環境があるので、安心して挑戦できるんです。

この支え合いながら前に進める空気感が、モリノブライズらしさだと感じています。

「その人のためだけの一着を」理想のドレスを叶えるお直しに挑戦したい

─ 今後、挑戦してみたいことを教えてください。

お客様は、ドレスに対して熱い情熱を持っていらっしゃいます。

その想いに少しでも応えられるように、これからは“ただ直す”だけでなく、“より理想の形に近づけるお直し”にも挑戦していきたいです。

将来的には、「袖をつけてほしい」「デザインを少し変えたい」といったお客様の細やかなご要望にお応えできる、セミオーダー的なお直しを手がけてみたいと思っています。

フルオーダーのように一から作るのは難しくても、既存のドレスにアレンジを加えて、「その人のためだけの一着」を仕上げることができたら嬉しいですね。

お客様がドレスに込めた想いを形にできるように、これからも技術を磨いていきたいです。